最新業界ニュース

2020.11.03 不動産投資

不動産投資・賃貸経営の正しい戦略 『入口戦略』 融資編③

不動産投資における融資のお話の続きです。

前回融資の「金利」と「期間」のお話をしました。ただこの2点は実際自分ではコントロールしにくいものでもあるので、金融機関から提示される金利や期間が、自分の不動産投資の目的達成に向けて妥当かどうか?を判断する必要があります。そしてその判断指標として「ADS」「DCR」「K%」「BER」といったものをがありますので、今回はこの指標のことを中心にお話したいと思います。

 

まずは用語の説明からです。

ところで不動産投資の本やお話に出てくる、アルファベットや横文字が並んでいる用語ってわかりにくいですよね。コンサルタントや営業マンの中にはこういった用語や専門知識を並べて非常に難しく説明される方も実際にいらっしゃいます。その方が何となくカッコいいですしね(笑)

でも、用語をちゃんと理解されている方は良いのですが、意味がちゃんと伝わらないと投資失敗につながる可能性も高まります。わかりやすく正確に伝え、ちゃんと理解してもらって実行してもらうことがコンサルタントや営業マンの大切な役割ですので、もしわからないことがある時はしっかり質問して下さい。

 

さてお話を戻して、ざっと用語の説明です。

「ADS」=元利返済額

「DCR」=債務回収比率(返済余裕率)

「K%」=ローン定数

「BER」=損益分岐点

 

まずは「ADS」です。

アニュアルデットサービスといわれるもので、元金と金利を合わせた年間の返済額です。元利均等払いであれば基本的にADSは年毎に変動しませんし、元金均等払いであれば、年々ADSは少なくなっていきます(金利支払い額が減っていくので)。これは金利と期間と借入金額があれば算出できますので、まずこの数値は基本になります。

 

続いては「DCR」です。

これはデットカバレッジレシオといわれるもので、純利益に対しての返済額の割合になります。返済余裕率とも言われるように、この数値が高いと返済に余裕があるという事になります。

一般的にこの数値が1.3~1.5あれば安全というふうに言われていますが、これは金融機関もこの数値を見て融資判断の材料にしているケースがあり、最低このライン(1.3以上)はないとその物件にそれだけの融資を出すことは難しい、といった判断を下す指標にもなっている為です。

計算式はNOI÷ADSとなります。

当たり前の事ですが、ローン比率が高くなると数値は低くなりますし、ローン比率を低くする(自己資金率を増やす)ことで数値は高くなります。イコール融資返済の安全率が高まります。

 

次に「K%」です。

これはローンコンスタントと言われるもので、借入残高に対する年間の返済額の割合です。ローン定数は融資の調達コストになりますので、銀行からみた投資利回りとして考えることも出来ます。

計算式はADS÷融資残高×100です。

このK%がFCR(総収益利回り)より高いと、投資利回りよりも融資調達コストの方が高いことになり、レバレッジは負になります。逆にK%がFCRよりも低いと、投資利回りの方が調達コストを上回っているということになり、レバレッジは正となり、融資を使った投資効果があるという事になります。

但し間違ってはいけないのが、レバレッジが負だからといって投資自体がマイナスになっている訳ではないという事です。

こういった指標をかじると、よく「K%がFCRを上回っているので、この物件に投資すべきではないな」と仰ったり考えてしまう方がいらっしゃいますが、実際は「その物件」がダメなのではなく「その融資条件」では、という事ですので間違わないようにご注意下さい。

K%の使い方としては「借入10,000万円 金利3% 期間15年」と「借入10,000円 金利4% 期間25年」どちらの融資の方が良いか?といった比較をする場合に便利です。この場合のK%はそれぞれ8.28%と6.33%になるので、後者の金利4%期間25年の融資を使う方が有利に働くという事になります。見た目の金利に惑わされないようになれますね。

 

 

最後に「BER」です。

これはブレイクイーブンレシオと言われるものですが、損益分岐点のことです。何の損益かというと物件の収入と支出の損益分岐点であり、要するに空室などによりどれだけ収入が減っても支出をまかなう事が出来るか?というポイントです。損益分岐点を下回ると、物件の収支はマイナスになるという事です。

計算式は(ADS+OPEX(運営コスト))÷GPI(総賃料収入)となりますので、ADS(借入返済額)が多いと損益分岐点は高くなり、空室や滞納などのマイナスに対して余談を許さなくなっていきますので注意が必要です。

また全体の戸数が少なかったり、1室辺りの賃料が高い上に、損益分岐点が高いと、1室空室になっただけで損益分岐を下回る(収支がマイナスになる)という事が起こります。このあたりも物件検討時に考えるべきポイントになります。

 

 

ざっと説明致しましたが、これらの指標を使いながら、融資条件の判断をしていきます。

「ADS」が大きくなると、「DCR」「K%」「BER」に影響します。融資を借りられるだけ借りられたらOK、という訳ではないという事ですね。

これらの検証をした上で、投資の目的・目標達成が可能であればその物件にその融資条件でいいということでしょうし、そうでないのであれば融資条件の交渉や別の金融機関への打診、それでも難しいのあれば物件自体を変更するなどの対応を取っていくことで、不動産投資失敗の可能性を減らすことが出来るかと思います。

 

あくまで本項目「融資編」は入口での失敗の可能性を減らすという趣旨のお話ですので、運営中のリスクヘッジ(空室やコストを減らすなど)についてはまた別の項目でお伝えしたいと思います。

続く

 

 

ページの先頭へ

お電話でのお問い合わせ

お電話で問合せ